教育学部 池口明子、橋本ゆかり、鈴木朋子、鈴木 允、重松克也、棚橋信明
協力:神奈川県立愛川高等学校、愛川町の地域住民の皆さん
研究目的
日本の入国管理制度の改革により,1990年以降国内に在住する外国人人口は約3倍に増加しました。地域の多文化社会を背景に,義務教育のみならず高等教育を視野に入れて,多文化包摂的な授業開発をおこなうことや,そのための人材育成が求められています。また,近年高等学校の社会系科目はESDの視点から再編成されており,多文化共生を含む地域課題解決のための思考力を身に着けることが期待されています。しかし従来のESD研究では,多文化の背景を持つ学習者の特性に対応した授業開発の方法論が立ち遅れていました。この研究は,学習者に関する認知言語学や臨床心理学の知見を活かしつつ,愛川町の地域住民や高等学校の協力のもと実践的な授業開発モデルを構築しようとするものです。モデル構築の過程で作成した教材は,オンライン教材として公開するほか,この過程で得た知見に基づきながら,多文化社会に対応できる教員養成カリキュラムを考案していきます。
特徴・効果・独創的な点
- 認知言語学や心理学,地理学,歴史学による学際的な研究方法
- 母語・母文化学習支援とESDを融合させた新たな授業開発モデル
- 神奈川県市町村を対象とした地域学習素材の開発と多文化化
- GIGAスクールに対応したオンライン教材配信
- PBL(プロジェクト型学習)による多文化時代の教員養成モデル
適用分野・用途
- GIGAスクール構想
- ESDによるまちづくり
- 地域学習,歴史総合,地理総合
- 多文化時代の教員養成カリキュラム
この研究は,科学研究費補助金(挑戦的研究(萌芽))(22K18499)を受けて実施しています。