PROJECT

プロジェクト

多彩な樹種の造形による魅力発信プロジェクト

教育学部
原口健一、岡拓海(教育学研究科M2)、教育学部2年生


我が国の文化の一翼として、世界最古の木造建築を持つ「木」の文化が挙げられる。また、 構造材としての木だけでなく、「適材適所」という言葉に代表される様に、それぞれの樹種を生活の中で適した有用性を見出し、様々な文化的背景を構築してきた。それは、「木を適材適所に活用する文化」とも言い換えられる。また、故事や昔話にたびたび登場する「木」は、 木をただ単に便利な物質としての木材として扱うのではなく、そこに広く深い木に対する認識が人々の中にあったことを今を生きる我々に感じさせる。現在、その認識が、私たちの生活の根幹の一部を構成していることに疑問を挟む余地は無いと言える。昨今、新国立競技場、各種学校建築など公建築に限らず、民間建築、家具業界においても 積極的に木を取り入れようとしている現状からも、木を使ったモノが注目されようとしている。人は、自然界に生きるものとして、現代の生活環境から考えれば、当然の帰結といえよう。そ れは、我々にとってとても意義のある現象であるといえる。しかし、人として 「木」というものの認識は本当の意味で深まっているのだろうか。木というものが、深い意味で全くわからないモノになってしまっているのではないだろうか。スギ、ヒノキ、ケヤキなど多くの樹種から、様々なモノがつくられ、そこに使われる樹種には必然性があり、作り手の思いである。しかし、樹種の違いだけでなくその必然性、思いについて感じ取れる人はそう多くは無いように思われる。しかし一方、木が嫌いという人は極めて少ないと思われる。しかし、現在の生活環境が多くの石油製品に囲まれ、そっけないものになっているようにも感じられる。なぜそっけないと感じるのだろうか。私は、人がそこに原初の存在を感じられないからと考える。あまりに元の姿が見えてこない。ただ漠然と与えられているものを受け止めているだけで、享受することを忘れているのではないだろうか。自分のモノとして楽しめていないのではないだろうか。このような疑問から、我が国の大切な「木に関わる文化」を未来に繋ぎ、発展させるために取り組むべき課題として、次にあげるプロジェクトを実施した。

プロジェクトの概要

本プロジェクトは、神奈川県で一般にみられる多様な広葉樹を素材にし、樹種それぞれが持つ多彩な魅力を造形物(カタチ)および製品開発(実用)を通して発信することを目的に、2019―2020 年度の2年間をかけて行なった。広葉樹は、多様な樹種が存在している。それぞれの樹種は、組成が多様なる故に、何らかの外的作用を加えたときの魅力はさらに多様なものとなる。それぞれの広葉樹が奏でる多彩な魅力をカタチにする。プロジェクトの内容は以下の3つを行なった。

プロジェクトI:樹種の違いを感じることのできる美術作品制作
プロジェクトII:音をテーマとした造形(ギター・打楽器)ギター制作担当:岡 拓海
プロジェクトIII:教材玩具開発  担当 教育学部美術科学部2年生4名、原口(指導)