EDUCATION&RESEARCH

教育・研究

里山談義―かかわって、ひらめいて、さすが私たち!

教育学部 有元典文・物部博文


概要

(本講義はLLS(学長リーディングレクチャ—)であり全学教育科目として実施された。代表倉田薫子)

 この講義では、持続可能な社会づくりのために必要な能力や態度とはどのようなものか、その心理学的基盤(対話・協働・平等)について、主体的、体験的に受講者が気付いていく機会をつくることを目的とする。持続可能な社会の担い手であるためには、多様な人との関わりの中で課題を見出し、共に解決していく能力と態度が必要とされる。本講義では、即興で協働するインプロ・ゲームなどのアクティビティを体験し(かかわり体験)、かかわりの楽しさと難しさに気づき、実は日々の人とのかかわりの良いことも嫌なことも、それこそがかかわり練習なのだと気づくことを企図している。このことの心理学的な基礎として、ヒューマン・ファクター(人的要因)、ソーシャルスキルズ、対人苦手感、共同的な学び、心理的安全性などの理論を学び、体験と理解の往還の中で、持続可能な社会づくりの基礎としての対人スキルを身につけることが期待されている。個人内のスキルよりも個人間でアイディアが創発するような「コミュニティ・オブ・クリエイティビティ」(ひらめきの共同体)(奥村・有元・阿部, 2022)づくりのチーム練習を重視する。かかわり練習のインプロ・ゲームや創作三分劇を経て、(1)持続可能な社会の形成者に近づくことと、(2)教員養成系学部生にとってはE S Dの視点に立った学習指導が可能になる基礎を身につけること、が期待される。

特徴・効果・独創的な点

  • ワークショップ形式での体験重視
  • 個人というより集団での学修重視
  • 理論の座学というより遊びの中での気付き重視

関連報告

  • 有元典文(2022)ひらめく場づくりとしての教室 −ひらめきあう未来のための準備運動−.「コミュニティ・オブ・クリエイティビティ ひらめきの生まれるところ」. 編著者 奥村高明、有元典文、阿部慶賀. 2022/08. 日本文教出版
図1 車座でスタート、理論を学ぶ
図2 グループワーク
図3 グループワーク(全体)
図4 教員も一緒に3分劇