教育学部 金光真理子
概要
この授業では中学校音楽の授業を念頭に、日本の音楽と世界の音楽を教える方法を学ぶ。近代以降、西洋のドレミの音楽に慣れ親しんできた私たちにとって、我が国の伝統音楽は馴染み深い音とは言えず、ましてや世界の音楽となると理解できないだけでなく、不快に聞こえるものすらあるかもしれない。このような音楽の好き嫌いや快不快を、私たちは「自然に」感じていると思うかもしれないが、これは私たちが文化的・社会的に身に着けた価値観に他ならない。したがって、本授業ではさまざまな音楽を聴きながら、その音楽の何が良しとされているかを知り、そこからみずからの音楽観を省みて相対化していくことを狙いとしている。その学びの基本は「聴く」という音楽科特有の活動から始まる。本授業では、音楽をよく聴いて少しずつ実践しながら体得し、その文化や社会についても学びを深める教授法として、アメリカの音楽教育学者P.キャンベルによる「世界音楽教授法Word Music Pedagogy(WMP)」を学ぶ。学生はWMPの教授法を学んだ後、それぞれが選んだ音楽文化について授業案を考え実践する。
特徴・効果・独創的な点
- 異文化理解および文化相対主義のコンセプトを理論的かつ実践的に学ぶ点
- ガムラン体験講座などの実践を通した体験的な学び
関連論文
- 金光真理子(2016)「P.キャンベルの世界音楽教授法 : その利点と課題」『横浜国立大学教育人間科学部紀要. I, 教育科学』18:1 – 19.